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急患医療における重炭酸の効果

入院中の患者さんで朝の採血結果が「カリウムが6.5」などという値が出る場合があります。
他のデータはどうかと言うと、他のデータの異常がなくカリウムだけが異常だということです。
これは一見、どうということのない症状に見えますが、とても危険な状態です。

急患の患者さんで、カリウムが高いと心臓が突然止まってしまう可能性が出てきます。
カリウム異常、低血圧、低酸素、高カルシウムなどは緊急に対処しなければなりません。
カリウムが高くなると看護師さんは、すぐ心電図モニターを装着します。
カリウム異常は心電図に現れます。
心電図に異常がなければさしあたり安心だと言えます。

このようにカリウムが高い時には「メイロン」という点滴を使用します。
重炭素が解けているためこれを投与すると細胞内にカリウムが取り込まれてカリウム値が低下するのです。
簡単にいれば、重炭素イオンは全身のpHを上げ、塩酸イオンが細胞内に放出されます。
その代わりに細胞内にカリウムが流れ込みカリウム値が下がるというわけです。

ただ透析患者で重炭素の投与でカリウム濃度に何の変化もなかったという研究もあるので、効果が確かであるとは言えません。
ただ腎不全などの代謝性アシドーシス(酸性に傾く)の患者には有効性があるとされています。

急性期の患者さんで、重炭酸を使用する場合、「等張溶液」(1リットル5%ブドウ糖+150mEqの重炭酸)として投与する必要があります。
患者さんがこの容量で負荷に耐えられるか慎重な判断が必要です。
慢性の腎臓病の患者さんは、このような代謝性アシドーシス治療において重炭酸イオンを(カリウムとは関係なく)正常値に維持する必要があります。
ただ心医療の現場で、例えば肺停止中の時はこのの重炭酸(商品名「メイロン」)は推奨されているとは言えません。
医師が大量に投与してしまうことがあり注意が必要なものあると言えるでしょう。